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ごろ寝発電

”experience is everything" 辻和美というサンプル。

お遍路の途中で出逢ったフランスのおじさんのはなし

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もうあれから5年経つのか。
マンション買おう、ローン背負おう、ずっと会社員で、って思ってた私を根底から変えた。

 

この年(2011年)無類の『水曜どうでしょう』好きの私たち夫婦と共通の友人の3名で四国のお遍路しよう、となった。


『どうでしょう』みたいに、ただ、コスプレよろしく衣装着て、車移動で、寺の前でポーズ作って写真撮って、最速で88か寺廻ろうぜ、みたいなノリで始まった。当時全員会社員だったので土日祝の度に何回かに分けて四国に通う、というなかなかハードな行程。その直前に3.11が起こった。だけど3月中に1回目を出発した。

 

基本的にノリでというのは変わらないけど、震災で亡くなった又は大切な人を亡くした方の為に義援金以外にも何かできることをしたかった。そのことを誰も口にはださず、馬鹿話ばかりしてただ無駄でおもろいからというだけで動いてる感じでいた。そういうの照れくさい間柄。だけど結局3人とも真剣に手を合わせた。ガチ参拝してしまった。

 

で、急げ急げとやはりスピード重視で移動していると、フランス人のお遍路さんが「車に乗せてくれ」と言ってきた。駅に行きたいようで、向きが反対だけど「いいっすよ」と乗せた。気になったので聞いてみた。


「いま、この時期に日本に来るのって、家族は反対しませんでしたか?
 原発放射能や余震や、いろいろ不安材料あると思うのですが・・・。」

すると彼は、

「家族は心配してるけど、自分はオーケーだ」と答えた。


「なんでお遍路やろうと思ったんですか?有名なんですか?」
と聞いたら、「本を読んだんだ」とのお答え。そして、「なんでお遍路やろうと思ったか」は「ちょっと後で見せるね」と言われた。そのあとは旅人あるあるなんかを話してるうちに駅に到着。じゃ、お元気で、と言うと、「僕がお遍路している理由はこれだよ」と、日本語で書かれた札を見せてくれた。

 

そこには、「東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします」と日本語で書かれていた。思わず泣いた。なんというか、ストレートに、沁みた。

 

この人は、はるばるフランスから、祈るなら現地の神様に、と、それだけで
歩いて88か所廻ろうとしているのだ。その行動。その想い。

 

そしてそのとき、初めて、自分も心細かったのだと気が付いた。たぶん、日本中が心細かったんじゃないかな。そんなとき、海外からの心のこもった言葉や行動は本当に嬉しかった。特に台湾から受けた温かい気持ちは忘れない。

 

日本は、ずっと経済大国として、何かを与える立場だった。今だってそうだ。
だけど、このとき。わたしたちは「受け取る」経験をしたんだ。

 

「日本がいままでいろいろしてきたからこそ各国がいろいろしてくれたんだよ」
そう言う人もいるだろう。確かにその側面もある。対価。


だけど、このフランスのおじさんを通して私は確信した。
そうじゃない。それだけじゃない。


人間は根源的にこういう事態になったら、「誰かの役に立ちたい」生き物なのだ。「なにかをしたくなる、伝えたくなる」「共に生きているよ」と伝えたくなる、「一人じゃないからね」と伝えたくなる生き物なんだ、「祈らずにはいられない」生き物なのだと思った。フランスのおっさんはそれを教えてくれた。


あのとき、受け取ったものはなんだったのでしょうね。

この国に向けてくれたものは、なんだったんでしょうね。

わたしたちはどんな未来を生きたいのでしょうね。

そんなことを思い出しました。

 

 

***「今のわたし」にとってだけの正解。見えている世界***

辻 和美 ツジカズミ 

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